シングルマザー一号モリーン

Dress for Twoルワンダの美緒です。


KISEKIがシングルマザーたちを雇用しはじめてそろそろ半年が経ちます。

それまでは大学生や一流レストランで働いていたシェフと働いていました。

しかし度重なる盗み、怠慢、遅刻、ずる休み、飲酒、賃上げ交渉(仕事のレベルむしろ低下してるのに。)でほとほと疲れ果てていました。

なんでこんな苦労してまでこの人たちと仕事をしないといけないんだろうか。

そんななかで、真面目で正直なシングルマザーのモリーンの存在は大きな支えでした。

彼女は私が三男出産後、3時間おきの授乳をしながら仕事をしていた時期に、飛び込みで職探しにやってきました。

「なんでもいいので仕事をください」

彼女のあまりの真剣な様子。

隣でギャン泣きする三男。

「ちょっとこの子見てて!」

ちょうど子守役を探していた絶好のタイミングでした。その日から子どもの世話係と掃除婦としてモリーンはKISEKIで働きはじめました。

しかし数カ月後、モリーンが妊娠していることが判明しました。

これまでの職場では妊娠を理由に仕事を失なってきたそうで、ずっと私には秘密にしてきたのですが、大きくなるお腹は隠せません。

ある日、これまたこれまでにない深刻な顔で私に「お別れ」を言いに来たのです。

モリーンにはすでに3人の子どもがいて、おなかの中の子は4人目。

旦那さんはいないと言います。

あなたみたいに一生懸命に働く子をクビにするわけがない、

お腹の子も含め4人を養っていかないといけないのだから今まで以上に一生懸命働いてください。

でも赤ちゃんと身体が第一だから、3カ月は有給の産休をとってください。

産後は回復したら戻ってきてね、赤ちゃん連れてきてもいいよ。

おっぱいのまないといけないからね。

私の目の前で「ありがとう」「ありがとう」と繰り返し、ひざまずいて泣くモリーンの姿を忘れることはありません。

そんなモリーンはスタッフたちが悪いことをする中で、仲間にお前は裏切り者だと批判をされながらも、正義を貫き私の傍に立ってくれました。

おっちょこちょいで抜けているところがたくさんあり、ミスは減りません。

けれど責任感と正義感の強さ、仕事に対する真面目な姿勢はなかなか他のスタッフにはありません。

今はキッチンのリーダー、私不在時の責任者として最前線で働いています。

そんな彼女が私に『シングルマザーと働くこと』のきっかけをくれたのです

Dress for Two

1つの布を2つの国で「はんぶんこ」することから 色とりどりのストーリーが始まります。 人と人がつながり、喜びをわかちあい、 日常が楽しく変化する。 「はんぶんこ」した布で一つ一つ丁寧に仕立てたアイテムには、そんな力を秘めています。 私たちはそのきっかけとなり、 みなさまの日常が彩り豊かになるように願っています。

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